2012年10月11日木曜日

2012年10月11日 『天声人語』

2012年10月11日付 『天声人語』....。

朝日新聞もさすがに書かずにはおれなかったのでしょうか?

ここまで論評しています...。

この文章が高校~大学入試に引用されるかもしれません。

全文を紹介します。




わが国での開催は48年ぶりとなる。

国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会だ。

14日まで、188カ国の財務相や中央銀行総裁らが

世界経済のあれこれを論じ合う

▼約2万人が来日するこの祭りに、

中国はトップを送らず、大手銀行も欠席させるという。

尖閣の一件を理由に、日本に恥をかかせる腹なのか。

あらゆる機をとらえての意趣返し(いしゅがえし)は、

体ばかり大きい子どもを思わせる

▼IMFは世界の成長見通しを引き下げた。ユーロ危機は長引き、

日米の財政難は変わらず、新興国の勢いにも陰りが見える。

こんな時こそ協調が必要なのに、大国の自覚はないらしい。

せっかくの場をプロパガンダに使う粗雑さは、未熟な国内市場とも重なる

▼中国では日本車の販売が失速した。9月はトヨタが去年の半分、

日産やホンダも約4割の減で、ドイツや韓国の車が売れている。

政府が不買を容認し、性能や価格で選ばれるべき商品が憎悪の的になる。

悲しいかな、これが「世界一の新車市場」の現実である

▼報復を案じてか、日本ツアーの解約も続く。心配ご無用、

少数の嫌がらせはあったが、五星紅旗も中華街も安泰だ。

国柄や民度に触れるまでもなく、それが世界の常識というものだろう

▼経済規模で世界2位とはいえ、その源泉である13億人の所得格差は広がり、

民主主義なき発展の矛盾は覆いようもない。

官民あげての「愛国無罪」も、国際社会の評判を落とすだけである。

とりあえず「大人の所作」を覚えよう、と難じておく。

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